胆のう・膵臓の病気
胆のう・膵臓の病気

右上腹部の痛み、食後のもたれ、背中への放散痛──
こうした症状が続くとき、胆のうや膵臓の異常が隠れていることがあります。
胆のうは「胆汁」という消化液を一時的に貯め、食後に十二指腸へ送り出す働きがあります。
一方で膵臓は、食べ物を消化する酵素(膵液)や血糖を調整するホルモン(インスリン)を作る重要な臓器です。
これらの臓器に異常が起こると、消化吸収・代謝・解毒の機能が低下し、全身に影響を及ぼします。
しかも、胆のうや膵臓の病気は「沈黙の病気」と呼ばれるほど初期症状に乏しく、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。
ここでは、胆のう・膵臓の代表的な病気について、原因・症状・治療を詳しく解説します。
胆石は、胆汁の中の成分(コレステロール・ビリルビン・カルシウムなど)が固まって石のようになったものです。
胆のう(胆汁を貯める袋)や胆管(胆汁の通り道)にできることが多く、40代以降の女性・肥満・糖尿病・脂質異常症の方に多く見られます。
特に女性は女性ホルモンの影響で胆汁中のコレステロールが増えやすく、妊娠や閉経後にも胆石ができやすくなります。
胆石が胆のうや胆管をふさぐと胆のう炎・胆管炎・膵炎を引き起こします。
発熱や黄疸が出た場合は、救急での対応が必要なこともあります。
胆石が胆のうの出口を塞いで胆汁がうっ滞し、細菌感染を起こして炎症が生じる病気です。
急性胆のう炎は40〜70代の女性に多く見られます。
また、糖尿病の方や高齢者では重症化しやすい傾向があります。
慢性的に繰り返す場合は「慢性胆のう炎」と呼ばれ、胆のうの壁が厚くなり機能が低下します。
胆のうの壁が壊死し、胆のう破裂(穿孔)や腹膜炎、敗血症に至る可能性があります。
症状が出たら、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。
胆のうの内壁にできる小さな隆起(いぼ状の組織)です。
脂質代謝異常や慢性炎症が関係しており、40〜60代でよく見つかります。
多くは良性(コレステロールポリープ)ですが、一部に**腺腫性ポリープ(がんの前段階)**が含まれます。
無症状のことがほとんどで、健康診断やエコー検査で偶然見つかります。
大きさが10mm以上、急速に大きくなる場合には胆のうがんへの進行リスクが疑われます。
定期的な画像検査が大切です。
胆のうの壁が厚くなり、筋肉の層が増えることで胆のうの形が変化する良性疾患です。
胆汁の流れが悪くなることが原因とされ、中年以降の女性に多く見られます。
胆石を合併している場合も多いです。
胆のうが十分に収縮できなくなり、慢性胆のう炎や胆石形成を引き起こします。
まれに、壁の肥厚ががんと見分けにくい場合があります。
膵臓が分泌する消化酵素が何らかの原因で膵臓内で活性化し、自分自身を消化してしまう炎症性疾患です。
急性膵炎は突然の激しい痛みを伴い、慢性膵炎は長期間にわたり膵臓が硬くなり、機能が低下していきます。
原因はアルコールの多飲、胆石、脂質異常症、薬剤、ストレスなどが挙げられます。
急性膵炎:40〜60代男性
慢性膵炎:長期飲酒者に多く、男性に圧倒的に多い
重症化すると多臓器不全・ショック・死亡リスクがあります。
慢性化すると糖尿病・消化不良・体重減少を引き起こします。
膵臓の中や周囲に液体がたまって袋状になる病変です。
炎症後にできる「仮性のう胞」や、腫瘍性の「真性のう胞(IPMNなど)」があります。
50〜70代に多く、男女差はあまりありません。
腫瘍性ののう胞(IPMNなど)は膵がんの前段階のことがあり、定期的な画像検査が重要です。
膵液の通り道である膵管内に石ができる病気です。
主に慢性膵炎が長期間続くことで発生し、アルコール摂取が大きな原因とされています。
中高年男性に多いです。
膵液がうっ滞し、膵臓が破壊される・糖尿病が進行するリスクがあります。
膵管の圧が高まり、強い痛みが続くこともあります。
膵臓にできる悪性腫瘍で、日本ではがん死亡原因の上位を占めます。
早期はほとんど症状がなく、「発見が遅れやすいがん」として知られています。
リスク要因は、喫煙、糖尿病、肥満、慢性膵炎、家族歴など。
一部の症例では遺伝的要素も関係します。
50〜70代の男性に多く見られます。
膵臓がんは進行が早く、肝臓・腹膜・肺などへ転移しやすい傾向があります。
早期発見には定期的な腹部エコーやCTが欠かせません。
胆汁の通り道である胆管や、胆汁を貯める胆のうにできる悪性腫瘍です。
胆石症、慢性胆道炎、膵胆管合流異常などの慢性刺激や炎症が発がんに関与します。
また、60歳以上の男性に多い傾向があります。
進行すると胆汁が流れなくなり、**肝機能障害や感染(胆管炎)**を起こします。
進行が早いため、早期の画像診断・生検が重要です。
CT・MRI・ERCPで診断し、可能であれば手術での切除を行います。
進行例では化学療法(抗がん剤)を併用します。
胆のうや膵臓の病気は、初期症状が出にくいのが特徴です。
「少しお腹が重い」「食後に右上腹部が痛む」といった軽いサインも、早期診断につながる大切なヒントです。
白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニックでは、腹部エコー・CT・血液検査を組み合わせて胆のう・膵臓疾患を精密に評価。
胆石・膵炎・膵がんリスクなども早期に見逃さない体制を整えています。