「数日に1回しか出ない」便秘が続く・出にくい原因｜専門医が解説

はじめに

「数日に1回しか出ない」「お腹が張って苦しい」「出てもスッキリしない」──
こうした便秘の症状に悩む方は少なくありません。
女性や高齢の方に多い印象がありますが、最近ではデスクワーク中心の生活やストレス、不規則な食生活などにより、若い世代でも便秘に悩む方が増えています。

便秘は単なる「お通じのトラブル」ではなく、腸の動きや自律神経の乱れ、食事内容、服用中の薬など、さまざまな要因が関係しています。
放置すると、腹痛や食欲不振、肌荒れ、集中力の低下など、全身に不調があらわれることもあるため注意が必要です。

この記事では、港区白金にある白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニックが、便秘の原因・放置してはいけない症状・検査・治療法・生活でできる改善ポイントをわかりやすく解説します。
慢性的な便秘でお悩みの方も、ぜひ参考にしてみてください。

便秘とは？どんな状態を指すのか

便秘とは、便が硬くて出にくい、排便の回数が少ない、排便してもスッキリしない状態をいいます。
医学的には「排便回数が週3回未満の状態」が目安とされていますが、たとえ毎日出ていても「残便感がある」「硬くて出しにくい」と感じる場合も便秘に含まれます。

排便回数が週3回未満、または硬い便が出る状態

腸の動きが弱まり、便の水分が過剰に吸収されると、硬く乾いた便となって排出しにくくなります。
長く腸内に便が滞留することで、ガスの発生や腹部膨満感、肌荒れなども起こりやすくなります。

排便してもスッキリしない「残便感」

「出てもスッキリしない」「出しきれない感じが残る」──
これは便が直腸まで下りてきても、排出のタイミングを逃したり、筋肉の働きが弱まってうまく押し出せないことが原因です。
デスクワークで座りっぱなしの生活が続くと、腸の動きを助ける腹筋が弱まり、残便感が生じやすくなります。

便秘のタイプ（弛緩性・けいれん性・直腸性）

便秘にはいくつかのタイプがあります。

自分のタイプを知ることで、適切な対処法が見えてきます。

一時的な便秘と慢性的な便秘の違い

旅行・環境の変化・一時的なストレスによる便秘は数日で改善することが多いですが、3週間以上続く慢性便秘は、腸の機能低下やホルモンバランス、病気が関係している場合もあります。
「出ないのが当たり前」と思わず、慢性化する前に原因を明らかにすることが大切です。

便秘の主な原因

便秘の原因は、食事・生活習慣・ストレス・加齢・薬の影響・腸の病気など、さまざまです。
原因によって改善方法も異なるため、自分のタイプを知ることが改善への第一歩となります。

水分・食物繊維の不足

便の大部分は水分でできており、水分が不足すると便が硬くなって排出しにくくなります。
また、食物繊維には腸内の水分を保持し、便のかさを増やして排便を促す働きがあります。
食事量が少ない、ダイエットで野菜や炭水化物を控えすぎると、腸が動きにくくなり便秘を招きます。

運動不足・腹筋の低下

腸の動き（ぜん動運動）は、体を動かすことで活発になります。
しかし、デスクワーク中心で体を動かす機会が少ないと、腸の動きが鈍り便が滞りがちになります。
特に高齢者や女性は腹筋が弱くなりやすく、便を押し出す力が不足しやすい傾向があります。

ストレス・自律神経の乱れ

腸の動きは自律神経によってコントロールされています。
強いストレスや睡眠不足、プレッシャーなどで交感神経が優位になると、腸の動きが抑えられ、便秘が起こりやすくなります。
「出したいのに出ない」「便秘と下痢を繰り返す」といった方は、ストレスや自律神経の乱れが関係しているかもしれません。

過度なダイエット・不規則な生活

食事制限や朝食を抜く生活は、腸のリズムを乱します。
本来、朝に最も活発になる腸の動きを止めてしまうため、便意が起こりにくくなります。
また、睡眠不足や不規則な生活も自律神経のバランスを崩し、腸の働きを低下させます。

薬の副作用（鉄剤・鎮痛薬・抗うつ薬など）

鉄剤や鎮痛薬、抗うつ薬、降圧薬などには腸の動きを抑える作用があり、便秘を起こすことがあります。
服用を始めてから便秘が続く場合は、自己判断で中止せず医師に相談しましょう。

大腸ポリープや腫瘍による器質的な便秘

大腸ポリープや腫瘍によって腸が狭くなり、便の通過が悪くなるケースもあります。
特に急に便秘になった・便が細くなった・血が混じるなどの症状がある場合は、大腸内視鏡検査で原因を確認することが大切です。

放置すると危険な便秘のサイン

便秘は「よくあること」と思われがちですが、長期間続く便秘や急に始まった便秘には、体の異変が隠れていることもあります。
以下のような症状がある場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。

1週間以上排便がない

便秘が1週間以上続く場合は、腸の動きが大きく低下している可能性があります。
便が腸内に長くとどまると、ガスや老廃物が溜まり、腹痛や吐き気、食欲不振を引き起こすこともあります。

血が混じる・黒っぽい便

便に血が混じる、黒っぽいタール状の便が出る場合は、腸や胃の出血が疑われます。
痔による出血のこともありますが、大腸ポリープ・がん・潰瘍などの病気が原因のケースもあります。

強い腹痛・お腹の張り

排便がない状態で腹痛やお腹の張りが強いときは、**腸閉塞（イレウス）**の可能性もあります。
放置すると腸の動きが完全に止まり、緊急治療が必要になることがあります。

下剤を飲まないと出ない状態

毎回下剤を使わないと排便できない状態は、腸が薬に依存している可能性があります。
自己判断での使用を続けると、腸の自然な動きが弱まり、便秘を悪化させることもあります。

治療法と日常生活での対策

便秘の治療は、薬で出すことよりも“腸が自然に動く状態”を整えることが大切です。
当院では、原因や体質に合わせて薬物療法と生活習慣の改善を組み合わせ、無理なく排便習慣を取り戻す治療を行っています。

下剤・整腸薬・漢方薬による薬物療法

症状や生活スタイルに応じて薬を選択し、無理なく継続できる治療を目指します。

水分・食物繊維を意識した食生活

1日1.5〜2リットルの水分補給を心がけましょう。
冷たい飲み物よりも常温の水やお茶が理想です。
また、野菜・海藻・果物・きのこ類などの食物繊維をバランスよく摂ることで、腸内環境を改善し、便通を促します。

腸の動きを助ける軽い運動・腹部マッサージ

ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、腸のぜん動運動を活発にします。
朝起きてコップ1杯の水を飲む、腹部を「の」の字にマッサージするなど、日常に取り入れやすい習慣も効果的です。

睡眠・ストレス管理による自律神経バランスの改善

睡眠不足やストレスは自律神経を乱し、腸の動きを低下させます。
十分な睡眠、リラックスできる時間を確保し、心身のバランスを整えることが便秘改善につながります。

港区・白金エリアで便秘やお腹の張りにお悩みの方へ

「何日も出ていない」「下剤を使わないと出ない」「お腹が常に張って苦しい」──
こうした便秘の悩みを、我慢していませんか？
一時的な便秘は生活習慣の乱れで起こることもありますが、慢性的に続く便秘は、腸の働きや病気が関係していることもあります。

当院「白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニック」では、消化器内視鏡専門医が腸の状態を丁寧に確認し、原因に合わせた内視鏡検査・薬物治療・生活改善のトータルサポートを行っています。

便秘の中には、大腸ポリープやがんなどの器質的な原因が隠れているケースもあります。
鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸内視鏡検査に対応しておりますので、検査が不安な方も安心してご相談ください。

また、「薬に頼りすぎたくない」「自然に出せるようになりたい」という方には、食事・水分摂取・運動・ストレスケアなど、日常生活に合わせた改善プランをご提案しています。

「長年の便秘で諦めている」「腸の病気が心配」「最近、便の形が変わった」──
そんな方は、早めの受診をおすすめします。

港区・白金・麻布エリアで便秘やお腹の不調にお悩みの方は、白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニックへご相談ください。