胃もたれの原因はストレス？それとも病気？
長引く胃の重さ・不快感の原因と治療法を専門医が解説

はじめに

「食後に胃が重い」「少し食べただけで苦しい」「なんとなく消化が遅い気がする」──
そんな胃もたれの症状に悩んでいませんか？
一時的な胃の疲れであれば自然に治ることもありますが、数日以上続いたり、繰り返したりする場合は、胃の働きの低下や病気が関係していることもあります。

胃は、食べ物を消化して小腸へ送る「ぜん動運動」を行っています。
しかし、ストレスや不規則な生活、脂っこい食事、加齢などが原因でこの働きが弱まると、食べた物が長く胃の中に残り、重だるさや不快感を感じるようになります。

中には、胃炎・潰瘍・ピロリ菌感染など、検査でしか分からない病気が隠れているケースもあります。
この記事では、港区白金にある白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニックが、胃もたれの原因・考えられる病気・検査・治療・日常での対策についてわかりやすく解説します。

胃もたれとは？どんな症状？

「胃もたれ」とは、食後に胃が重く感じたり、食べたものが胃に残っているような不快感が続く状態をいいます。
食べ過ぎたあとに一時的に感じることもありますが、**特に食べ過ぎていないのに毎回感じる胃もたれは、胃の動きの低下（胃運動機能の障害）**が関係している場合があります。

胃は食べ物を消化し、少しずつ小腸へ送り出すために絶えず動いています。
この動きが何らかの原因で弱くなると、食べた物が胃の中に長くとどまり、「重い」「張る」「苦しい」といった症状が現れます。

胃もたれには次のようなタイプがあります。

また、胃炎やピロリ菌感染、胃潰瘍などの**器質的疾患（病変があるタイプ）**でも、同じような症状が出ることがあります。
つまり、「胃もたれ」は単なる食べ過ぎではなく、胃の働きや粘膜の状態に異常が起きているサインでもあるのです。

胃もたれの主な原因

胃もたれの原因はさまざまですが、大きく分けると「生活習慣による一時的なもの」と「胃の働きや粘膜に異常があるもの」の2つに分類されます。

①食べ過ぎ・脂っこい食事・早食い

暴飲暴食や、脂っこい食事・甘いもの・アルコールなどを多く摂ると、胃酸分泌が増え、消化に時間がかかります。
また、早食いによって食べ物がよく噛まれないまま胃に入ると、消化の負担が大きくなり、**「胃が動ききれない状態」**になります。

②胃の運動機能の低下

加齢や自律神経の乱れ、ストレスなどで胃のぜん動運動（食べ物を送り出す動き）が弱まると、胃の中に食べ物が残りやすくなります。
この状態が続くと、少量を食べただけで満腹になる・消化に時間がかかる・胃が重いと感じやすくなります。

③ストレスや睡眠不足

ストレスは自律神経のバランスを崩し、胃の動きをコントロールする神経の働きを低下させます。
「仕事が忙しいと胃が重くなる」という方は、精神的な負担が胃の機能に影響している可能性があります。

④ピロリ菌感染・胃炎・胃潰瘍

ピロリ菌は胃の粘膜を傷つけ、炎症を引き起こします。
慢性的な炎症により胃の働きが悪くなり、胃もたれや痛みを感じることがあります。
また、潰瘍やびらん（ただれ）などがある場合も、食後の不快感や重さが現れます。

⑤薬の影響（薬剤性胃炎）

痛み止め（NSAIDs）、鉄剤、抗生物質など一部の薬は胃の粘膜を刺激します。
長期服用している方は、胃の不快感を感じやすくなることがあります。

胃もたれは一時的なこともありますが、**「続く」「繰り返す」「悪化している」**場合は、病気のサインの可能性があります。
原因を明確にして適切な治療を受けることが、再発を防ぐ第一歩です。

放置すると危険な胃もたれのサイン

「いつものことだから」と胃もたれを放っておくと、思わぬ病気が進行している場合があります。
以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

①少量でもすぐにお腹が張る・食べられない

食欲が落ちている、少し食べただけで満腹になる場合は、胃の動きが著しく低下している可能性があります。
胃炎や機能性ディスペプシア、さらには胃がんなどでも同様の症状が見られます。

②胃痛・吐き気・嘔吐を伴う

胃もたれに加えて痛みや吐き気がある場合は、胃潰瘍や胃炎の悪化、消化管出血が疑われます。
嘔吐に血が混じる、黒っぽい便が出る場合はすぐに受診が必要です。

③体重減少・倦怠感・貧血

食欲不振による体重減少や、顔色の悪さ、だるさなどが続く場合は、胃の病気による出血や栄養吸収の低下が考えられます。

④胃薬を飲んでも改善しない

市販薬で一時的に良くなっても、すぐに再発する場合は、原因となる病気が残っている可能性があります。

慢性的な胃もたれの陰には、ピロリ菌感染や潰瘍、腫瘍性疾患が隠れていることもあります。
数週間続く胃もたれは「体からのサイン」と考え、早めに検査を受けましょう。

胃もたれの検査方法

胃もたれが長引く場合、その原因を正確に見極めることが大切です。
症状だけでは胃炎・潰瘍・ピロリ菌感染・機能性ディスペプシアなどを区別することは難しく、内視鏡検査（胃カメラ）を中心とした検査で確認する必要があります。

①上部消化管内視鏡検査（胃カメラ）

胃の粘膜を直接観察できる検査で、炎症・びらん・潰瘍・ポリープ・腫瘍などを確認します。
当院では鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査に対応しており、眠っている間に検査が終わるため、不安が強い方にも安心です。
必要に応じて、病理検査（組織検査）を行い、炎症や腫瘍の有無を詳しく調べます。

②ピロリ菌検査

慢性胃炎や潰瘍、胃がんの原因となるピロリ菌感染を確認します。
当院では、呼気・便・血液による検査で診断を行い、陽性の場合は除菌治療を行います。

③血液検査・腹部エコー

血液検査では、炎症反応・貧血・栄養状態を確認し、エコーでは肝臓・胆のう・膵臓などの他の臓器に異常がないかを評価します。
胃以外の臓器の異常でも、胃もたれと似た症状が出ることがあるため、総合的に確認します。

④連携医療機関での精密検査

CTやMRIなどのより詳しい検査が必要な場合には、近隣の提携病院と連携して実施します。
検査結果は当院と共有し、治療方針を統一してサポートいたします。

このように当院では、胃カメラを中心に必要な検査を組み合わせ、胃もたれの原因を正確に診断します。

治療法と生活習慣の改善

胃もたれの治療は、薬による胃の働きの改善と、生活習慣の見直しを組み合わせて行います。
症状の原因や程度によって治療法は異なりますが、根本原因に合わせて適切に対処することが大切です。

①薬物療法

これらの薬は、単に症状を抑えるだけでなく、胃の働きを正常に戻すことを目的としています。

②食事・生活習慣の見直し

• 食事は腹八分目を心がけ、ゆっくりよく噛む
• 脂っこい料理・甘い物・アルコールを控える
• 食後すぐ横にならず、2〜3時間は座って過ごす
• 睡眠をしっかり取り、規則正しい食生活を意識する
• ストレスを溜めない工夫を取り入れる（入浴・深呼吸・軽い運動など）

③ストレス・薬の影響にも注意

精神的なストレスは胃の動きを低下させる大きな要因です。
また、痛み止めなどを常用している方は、医師に相談しながら服用を調整することが望ましいです。

港区・白金エリアで胃もたれにお悩みの方へ

「最近、食後に胃が重い」「以前より食事量が減った」「ずっとお腹が張っている」──
そんな胃もたれの症状を、“歳のせい”や“一時的な疲れ”と見過ごしていませんか？
胃もたれが続くのは、胃の働きや粘膜に何らかの異常が起きているサインかもしれません。

当院「白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニック」では、消化器内視鏡専門医が最新の内視鏡機器を用いて、胃炎・潰瘍・ピロリ菌感染・機能性胃もたれなどの原因を丁寧に診断します。
鎮静剤を使用した苦痛の少ない胃カメラ検査にも対応しており、「初めての検査が不安」という方にも安心して受けていただけます。

また、症状の原因に応じて、胃酸を抑える薬・消化促進薬・粘膜保護薬などを組み合わせ、さらに食事内容・生活リズム・ストレスケアまで含めた総合的な治療を行っています。
必要に応じて近隣医療機関と連携し、CTやMRIなどの精密検査もスムーズにご案内可能です。

「市販薬を飲んでも改善しない」「胃の不快感が長引いている」──
そんなときは、早めに専門医の診察を受けることが大切です。

港区・白金・麻布エリアで胃もたれや胃の不快感にお悩みの方は、白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニックへご相談ください。
丁寧な検査と診療で、快適に食事を楽しめる毎日をサポートいたします。