のどの違和感やゲップは「胃酸の逆流」が原因？逆流性食道炎の症状・原因・治療法を解説

はじめに

最近、「のどがつかえる感じがする」「声がかすれる」「ゲップや胸やけが続く」といった不快な症状を感じていませんか？
風邪でもないのに違和感が続く場合、その原因は“胃酸の逆流”にあるかもしれません。

胃の中の酸が食道やのどの奥まで上がってくることで、炎症や刺激を起こす病気を「逆流性食道炎」といいます。近年では、働き盛りの30〜50代の方を中心に増えており、食生活やストレス、姿勢などの影響も大きいといわれています。

「なんとなくのどがおかしいけれど、どこを受診すればいいかわからない」──そんな方も多いのではないでしょうか。
本記事では、のどの違和感やゲップ、胃酸の逆流が気になる方に向けて、原因・対処法・受診の目安をわかりやすく解説します。

のどの違和感・ゲップ・胸やけの原因は「胃酸の逆流」かも

「のどの奥がヒリヒリする」「食後にゲップが増える」「胸のあたりがムカムカする」──こうした症状の多くは、胃酸が逆流して食道やのどを刺激していることが原因と考えられます。

通常、胃酸は胃の中で食べ物を消化する大切な働きをしています。しかし、食道と胃の境目にある「下部食道括約筋」という筋肉がゆるむと、胃酸が逆流してしまうのです。逆流した酸が食道やのどの粘膜に触れると炎症が起き、違和感や痛み、声のかすれなどが現れます。

特に、食後すぐに横になる習慣がある方や、暴飲暴食・脂っこい食事を好む方、姿勢が前かがみの時間が長い方は要注意です。また、加齢や肥満、ストレス、睡眠不足なども胃酸の逆流を引き起こす要因になります。

近年では、のどだけに症状が現れる「咽喉頭逆流症（いんこうとうぎゃくりゅうしょう）」というタイプも増えています。耳鼻科で「異常なし」と言われた方でも、実は胃酸が関係しているケースが少なくありません。

放置するとどうなる？逆流性食道炎のリスク

逆流性食道炎は、軽い症状のうちは「少し様子を見よう」と思われがちですが、放置すると症状が悪化し、さまざまな合併症につながるおそれがあります。

まず、胃酸によって食道の粘膜が長期間刺激されると、「びらん」や「潰瘍」ができてしまい、痛みや出血を伴うことがあります。食事のたびにしみるような痛みを感じたり、飲み込みづらくなったりすることもあります。

さらに、炎症が慢性化すると「バレット食道」と呼ばれる状態に進行する場合があります。これは、胃酸の刺激により食道の粘膜が胃の粘膜のように変化してしまうもので、食道がんの前段階とされる注意すべき症状です。

また、逆流した胃酸がのどや気管支に入り込むと、「声のかすれ」や「慢性的な咳」、「喉頭炎」「気管支炎」などの呼吸器症状を引き起こすこともあります。特に夜間に咳き込みが強くなる方は、胃酸逆流が関係しているケースが少なくありません。

このように、逆流性食道炎は単なる“胸やけの病気”ではなく、放置すると生活の質を下げるだけでなく、がんのリスクにもつながる可能性があるのです。症状が軽いうちに、早めの対策と治療を行うことが何より大切です。

自分でできる予防と改善法

逆流性食道炎の症状を和らげるには、薬だけでなく日常生活の工夫がとても重要です。
胃酸の逆流を防ぎ、のどの違和感や胸やけを改善するために、今日から実践できるポイントを紹介します。

①食事の工夫

胃酸の分泌を刺激しやすい食べ物（脂っこい料理、唐辛子などの香辛料、チョコレート、コーヒー、炭酸飲料、アルコールなど）は控えましょう。
また、食事量を減らし「腹八分目」を意識することも大切です。食後すぐに横になるのは避け、少なくとも2〜3時間は間をあけて就寝するようにしましょう。

②姿勢と生活リズム

前かがみ姿勢はおなかに圧力がかかり、胃酸の逆流を助長します。長時間のデスクワークやスマホ操作の際は、姿勢を意識して背筋を伸ばすようにしましょう。
就寝時には、上半身を少し高くして寝ると逆流を防ぎやすくなります。

③体重管理とストレス対策

肥満は腹圧を高め、逆流を起こしやすくします。無理のない範囲で体重をコントロールすることが重要です。
また、ストレスや睡眠不足も胃酸分泌のバランスを乱す原因になります。十分な休息とリラックス時間を持つことで、自律神経の働きを整えましょう。

④タバコ・アルコールの見直し

喫煙は食道と胃の境目の筋肉（下部食道括約筋）をゆるめ、胃酸逆流を起こしやすくします。禁煙は症状改善に直結します。
アルコールも胃酸を増やすため、飲酒は控えめにするのがおすすめです。

このように、生活習慣のちょっとした見直しが、症状の軽減につながることは少なくありません。
「最近のどがつかえる」「胸やけが続く」と感じたら、まずは日常の習慣を振り返ってみましょう。

医療機関での検査・治療法

逆流性食道炎や咽喉頭逆流症が疑われる場合、消化器内科での検査と治療が重要です。
特に、症状が長引く・薬を飲んでも改善しない・のどの痛みや声のかすれが強い、といった場合は専門的な診察を受けましょう。

①内視鏡検査（胃カメラ）で原因を特定

最も有効な検査は「上部消化管内視鏡検査（胃カメラ）」です。
カメラを使って食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察し、炎症やびらんの有無を確認します。
白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニックでは、鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査を行っており、「眠っている間に検査が終わった」と安心されるよう努めています。

②胃酸を抑える薬による治療

診断後は、症状や炎症の程度に応じて薬を処方します。
主に使用されるのは、プロトンポンプ阻害薬（PPI）やH₂ブロッカーと呼ばれるお薬で、胃酸の分泌を抑えることで食道の炎症を改善します。
これらの薬は効果が高く、数週間から数ヶ月の服用で症状が大きく軽減することも少なくありません。

③生活指導・再発予防

薬だけでなく、再発を防ぐためには生活習慣の見直しも欠かせません。
医師が患者様の生活リズムや食事内容を伺いながら、一人ひとりに合わせた改善アドバイスを行います。
体重管理や食事のタイミング、就寝時の姿勢などを少しずつ整えることで、再発を防ぎやすくなります。

このように、医療機関での治療は「症状を一時的に抑えるだけ」でなく、原因を見極めて根本から改善を目指すことができます。
のどの違和感や胸やけが続く方は、早めに専門医に相談することをおすすめします。

のどの違和感が長引くときは消化器内科へ

「のどがつまる感じがする」「咳払いをしてもスッキリしない」「声がかすれる」といった症状が長く続く場合、耳鼻科を受診しても「特に異常はありません」と言われることがあります。
しかし、原因が胃酸の逆流にある場合は、消化器内科での検査が必要です。

のどの症状は、胃酸が少しずつ上がってきて炎症を起こす「咽喉頭逆流症（いんこうとうぎゃくりゅうしょう）」のことも多く、胸やけがない人でも発症するのが特徴です。
このため、「耳鼻科でも治らなかった」「風邪薬を飲んでも改善しない」という方は、一度消化器内科を受診されることをおすすめします。

消化器内科では、胃や食道の状態を内視鏡検査で直接確認し、胃酸逆流による炎症なのか、他の病気が隠れていないかを詳しく調べることができます。
もし逆流性食道炎が見つかっても、薬と生活習慣の見直しで改善できるケースがほとんどです。

「たかがのどの違和感」と軽く考えず、2週間以上続く場合は早めに専門医へ。
早期に治療を始めることで、症状の悪化を防ぎ、快適な日常生活を取り戻すことができます。

港区・白金エリアで逆流性食道炎やのどの違和感にお悩みの方へ

のどの違和感やゲップ、胸やけなどは、軽く見られがちな症状ですが、その背景には「胃酸の逆流」や「逆流性食道炎」などの消化器のトラブルが隠れていることがあります。
放置してしまうと症状が慢性化し、日常生活に支障をきたすだけでなく、将来的に食道の粘膜変化やがんリスクへとつながることもあります。

当院「白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニック」では、消化器内科の専門医による内視鏡検査・胃酸抑制療法・生活改善のサポートを組み合わせ、症状の根本改善を目指します。
検査は苦痛をできるだけ抑えるよう、**鎮静剤を使用した内視鏡検査（眠っている間の胃カメラ）**にも対応しています。
初めての方でも安心して受けていただけるよう、検査前後の説明も丁寧に行っています。

また、逆流性食道炎は再発しやすい病気のため、治療後も患者様一人ひとりの生活習慣に合わせた再発予防のアドバイスを大切にしています。
「仕事が忙しくて生活リズムが乱れがち」「外食が多い」といった方にも、無理なく続けられる改善法をご提案いたします。

のどの違和感や胸やけ、ゲップなどが続くときは、我慢せず早めにご相談ください。
港区白金・麻布エリアで、逆流性食道炎・胃酸逆流・のどの不調にお悩みの方は、白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニックへ。
安心できる検査と丁寧な診療で、快適な毎日を取り戻しましょう。