肝臓の病気
肝臓の病気

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状が出にくい臓器のひとつです。
肝臓は、栄養の代謝、解毒、胆汁の生成など、生命維持に欠かせない働きをしています。
しかし、病気が進行しても自覚症状が出にくいため、健康診断で初めて「肝機能異常を指摘された」という方も少なくありません。
この記事では、代表的な肝臓の病気とその特徴・症状・治療について、患者様にもわかりやすく解説します。
B型肝炎ウイルス(HBV)が肝臓に感染して起こる病気です。
母子感染、血液感染、性的接触などでうつることがあり、感染後に急性肝炎や慢性肝炎へ進行することもあります。
全年齢で発症しますが、母子感染による慢性化は若年層に多く見られます。
慢性化すると肝硬変や肝がんに進行することがあります。
血液検査でHBs抗原・HBV-DNAなどを測定します。
治療は**抗ウイルス薬(核酸アナログ製剤)**を用いてウイルスの増殖を抑えます。
定期的な検査でウイルス量と肝機能をモニタリングします。
C型肝炎ウイルス(HCV)によって起こる肝炎です。
血液感染が主な経路で、輸血や注射器の使い回しなどで感染します。
40代以降に多く、感染から数十年後に肝硬変・肝がんを発症することがあります。
約7割の方が慢性化し、長期的に炎症が続くと肝硬変や肝臓がんのリスクが高まります。
血液検査(HCV抗体・HCV-RNA)で感染を確認します。
治療は**直接作用型抗ウイルス薬(DAA)**を8〜12週間服用し、治癒率は98%以上と非常に高くなっています。
肝臓に脂肪が過剰にたまる病気で、食べすぎ・飲みすぎ・肥満・糖尿病などが主な原因です。
日本では成人の約3人に1人が脂肪肝といわれています。
30〜60代に多く、男女ともに増加傾向です。
ほとんど自覚症状はありませんが、
などで気づかれることがあります。
脂肪が炎症を起こす「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」に進行し、肝硬変・肝がんのリスクが高まります。
血液検査、腹部エコー、CTなどで診断します。
治療は食事療法・運動療法が基本で、体重を5〜10%減らすだけでも改善が期待できます。
長期間の多量飲酒により肝臓がダメージを受ける病気です。
男性に多く、アルコール摂取量と期間に比例して進行します。
40〜60代に多く、飲酒歴10年以上で発症リスクが上がります。
アルコール性肝炎→肝線維症→肝硬変へと進行し、最終的に肝がんを発症することもあります。
血液検査とエコーで確認します。
治療は禁酒が最も重要で、栄養指導・ビタミン補給を併用します。
禁酒後は肝臓の再生が期待できます。
免疫の異常により、自分の肝細胞を攻撃してしまう病気です。
女性に多く、ホルモンや遺伝が関係するといわれています。
40〜60代の女性に多いです。
慢性炎症が続くと肝硬変や肝不全に進行するおそれがあります。
血液検査で自己抗体(抗核抗体、抗平滑筋抗体)を調べます。
治療はステロイド薬を中心に行い、炎症を抑えて肝機能を改善させます。
自己免疫反応によって、肝臓内の小さな胆管に炎症が起こり、胆汁の流れが悪くなる慢性の病気です。
以前は「原発性胆汁性肝硬変」と呼ばれていました。
40〜60代の女性に多いです。
胆汁が滞ることで肝硬変・肝不全に進行する可能性があります。
血液検査でALP(アルカリフォスファターゼ)の上昇や抗ミトコンドリア抗体を確認します。
治療は**ウルソデオキシコール酸(UDCA)**が中心で、胆汁の流れを改善し、進行を抑える効果があります。
薬やサプリメントなどに含まれる成分によって、肝臓に炎症や障害が起こる病気です。
抗生物質・解熱鎮痛薬・漢方薬などが原因となることがあります。
全年齢で起こりますが、薬を多く服用する中高年層で特に注意が必要です。
重症化すると劇症肝炎を起こし、命に関わることもあります。
服用歴を確認し、原因薬剤を中止します。
点滴や肝保護剤で肝機能を回復させ、再発予防のため薬の管理を徹底します。
慢性的な肝炎やアルコール、脂肪肝などが原因で、肝臓の細胞が線維化して硬くなった状態です。
肝臓が再生できなくなり、機能が著しく低下します。
50〜70代に多く、長年の肝炎や生活習慣病が背景にあります。
肝不全・肝がん・腹水・食道静脈瘤破裂など、命に関わる合併症を引き起こすことがあります。
血液検査・腹部エコー・CTなどで評価します。
進行を止めるため、原因(肝炎・アルコール・脂肪肝など)への対処が必要です。
栄養管理・薬物療法・肝臓移植などが検討されます。
肝臓の細胞から発生する悪性腫瘍で、日本では男性のがん死亡原因の上位です。
B型・C型肝炎、肝硬変、NASHなどが主な原因です。
50〜70代の男性に多く見られます。
がんが進行すると腹水・黄疸・転移などが起こり、命に関わることがあります。
早期発見が非常に重要です。
血液検査(AFP・PIVKA-II)・超音波・CT・MRIで診断します。
治療は、手術・ラジオ波焼灼療法(RFA)・抗がん薬治療などを組み合わせます。
定期的な肝機能・エコー検査による早期発見が生存率向上の鍵です。
肝臓の病気は、初期のうちはほとんど自覚症状がありません。
健康診断で異常を指摘されたり、疲れが取れにくい・黄疸が出るなどの症状に気づいたときには、すでに進行していることもあります。
白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニックでは、血液検査・超音波検査・腫瘍マーカーなどを組み合わせ、肝臓の健康状態を丁寧に評価します。
B型・C型肝炎の治療から脂肪肝・肝硬変の管理まで、専門的かつ総合的にサポートいたします。