胃がキリキリ痛む…ストレス？食事？それとも胃潰瘍？

はじめに

「みぞおちがキリキリ痛む」「食後に胃のあたりが重い」「空腹時にズキズキする」──
このような**胃の痛み（胃痛）**は、多くの方が一度は経験する身近な症状です。
一時的なもので自然に治まることもありますが、繰り返したり、痛みが強くなってきたりする場合は注意が必要です。

胃の粘膜は、強い胃酸によって常に刺激を受けています。
ストレスや不規則な生活、薬の影響などでバランスが崩れると、粘膜が炎症を起こし、痛みや違和感が現れます。
また、ピロリ菌感染や胃潰瘍、さらには胃がんなど、検査でしか分からない病気が隠れていることもあります。

この記事では、港区白金にある白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニックが、胃痛の原因や考えられる病気、検査・治療法、そして日常生活での対策について分かりやすく解説します。
「ただの胃もたれだと思っていたけれど、痛みが続く」という方は、ぜひ参考にしてください。

胃痛の症状と特徴

一口に「胃が痛い」といっても、痛み方や起こるタイミング、伴う症状によって原因はさまざまです。
自分の症状を正しく把握することで、受診時にスムーズな診断につながります。

痛み方の違い

「キリキリ」「ズキズキ」「シクシク」といった痛み方には個人差があります。
鋭い痛みが突然起こる場合は胃潰瘍や急性胃炎、鈍く重いような痛みが続く場合は慢性胃炎や機能性ディスペプシアが疑われます。

痛みが起こるタイミング

一緒に起こりやすい症状

胃痛に加えて、「胸やけ」「吐き気」「お腹の張り」「食欲不振」「背中の痛み」などを伴う場合もあります。
これらは胃酸過多・胃炎・潰瘍・胆のうや膵臓の異常などが関係していることがあります。

痛みが軽くても、くり返すようであれば早めに消化器内科を受診し、原因を確認することが大切です。

胃痛の主な原因

胃の痛みは、胃そのものの炎症だけでなく、生活習慣やストレス、薬の副作用など、さまざまな要因で起こります。ここでは代表的な原因を紹介します。

①胃炎（急性胃炎・慢性胃炎）

暴飲暴食、刺激の強い食べ物、アルコール、ストレス、ピロリ菌感染などが原因で、胃の粘膜が炎症を起こす状態です。
急性の場合は「キリキリ」とした痛みや吐き気を伴い、慢性になると「重い」「鈍い」不快感が続くようになります。

②胃・十二指腸潰瘍

胃酸が粘膜を深く傷つけ、潰瘍（かいよう）ができる状態です。
空腹時に痛みが出やすく、夜中や明け方にズキズキとした痛みを感じるのが特徴です。
潰瘍が悪化すると出血し、黒っぽい便や吐血を起こすこともあります。

③機能性ディスペプシア

内視鏡検査で異常が見つからないのに、胃の痛みやもたれを感じる状態です。
ストレスや自律神経の乱れが関係しており、胃の動きが鈍くなることで食後の重さや不快感を感じます。

④ピロリ菌感染

胃の中にすみつく細菌で、長期間感染していると慢性胃炎や潰瘍、さらには胃がんのリスクが高まります。
感染しても自覚症状が少ないため、胃痛をきっかけに検査で見つかることが多いです。

⑤薬の副作用（薬剤性胃炎）

痛み止め（NSAIDs）や一部の抗生物質、ステロイド薬などは、胃粘膜を傷つけることがあります。
特に、空腹時に服用する習慣がある方は注意が必要です。

⑥ストレスや生活習慣の乱れ

ストレスは自律神経を乱し、胃酸分泌のバランスや胃の動きを悪化させます。
過労、睡眠不足、不規則な食事も胃の負担となり、慢性的な痛みを引き起こします。

このように、胃痛の原因は一つではなく、複数の要因が重なっているケースが多いため、原因を正確に調べることが大切です。

放置すると危険な胃痛のサイン

胃痛の多くは一時的な炎症やストレスによるものですが、痛みが長引く・強くなる・くり返す場合は注意が必要です。
次のような症状がある場合は、早めに消化器内科を受診しましょう。

①痛みが強くなってきている

日を追うごとに痛みが悪化している場合、胃や十二指腸の潰瘍、胃がんなどの進行性疾患の可能性があります。

②嘔吐・吐き気・出血がある

吐いたものに血が混じる、黒っぽい便が出る場合は、消化管の出血が疑われます。
放置すると貧血やショックを起こすこともあり、緊急対応が必要です。

③食欲が落ちている・体重が減っている

胃炎や潰瘍、さらには腫瘍などによって、食欲不振や体重減少が続くことがあります。
「食べるのが怖い」と感じるほどの痛みがある場合は要注意です。

④薬を飲んでも治らない・すぐ再発する

市販の胃薬で一時的に良くなっても、症状をくり返す場合は根本原因が残っています。
慢性胃炎やピロリ菌感染、機能性ディスペプシアなどの可能性があります。

このようなサインが見られたときは、自己判断せずに内視鏡検査で原因を確認することが大切です。
早期に診断・治療を行えば、多くの病気はしっかり改善が期待できます。

胃痛の検査方法

胃痛の原因を正確に突き止めるためには、内視鏡検査（胃カメラ）を中心とした専門的な検査が欠かせません。
症状だけでは「胃炎」か「潰瘍」か、または「腫瘍性疾患」なのかを区別することが難しいため、画像で直接確認することが最も確実です。

①上部消化管内視鏡検査（胃カメラ）

口または鼻から細いスコープを挿入し、胃・食道・十二指腸の粘膜を直接観察します。
炎症・びらん・潰瘍・ポリープ・腫瘍などを詳しく確認でき、必要に応じて組織を採取して病理検査を行います。
当院では、鎮静剤を使用した苦痛の少ない内視鏡検査にも対応しており、「眠っている間に終わった」と安心される方も多くいらっしゃいます。

②ピロリ菌検査

ピロリ菌感染は、慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんの原因となることがあります。
当院では、呼気・便・血液による検査でピロリ菌の有無を確認します。
陽性の場合は除菌治療を行い、再感染を防ぐことができます。

③血液検査・腹部エコー検査

血液検査では、炎症反応・貧血・栄養状態などを確認します。
腹部エコー検査では、胃の周囲にある肝臓・胆のう・膵臓などの臓器に異常がないかを評価します。

④連携医療機関での精密検査

CTやMRIなどの高度な画像検査が必要な場合は、近隣の医療機関と連携して実施します。
検査結果は当院で共有し、治療方針を一貫してサポートいたします。

このように、当院では内視鏡検査を中心に、必要に応じて他の検査も組み合わせ、胃痛の原因を正確に診断します。

治療法と生活習慣の改善

胃痛の治療は、薬による症状の改善と、生活習慣の見直しを組み合わせて行います。
原因や痛みの程度によって治療法は異なりますが、早期に正しいケアを行えば多くの方が改善します。

①薬物療法（胃酸を抑える・粘膜を守る）

胃酸の分泌が多すぎる場合には、プロトンポンプ阻害薬（PPI）やH₂ブロッカーなど、胃酸を抑える薬を使用します。
また、胃粘膜保護薬や制酸薬を併用して、炎症をやわらげながら胃を守ります。
ピロリ菌が原因の場合は、抗菌薬による除菌治療を行い、再発防止を図ります。

②食事と生活習慣の見直し

• 食事はゆっくり、腹八分目を意識する
• 刺激物（辛い物・酸味の強い物・アルコール・コーヒーなど）を控える
• 就寝の2〜3時間前には食事を済ませる
• 空腹時や寝る前の飲酒は避ける
• ストレスをため込まない、十分な睡眠を取る

暴飲暴食や不規則な食事は胃に大きな負担をかけます。
少しずつ生活を整えることで、薬の効果を高め、再発を防ぐことができます。

③ストレスと薬の影響に注意

精神的なストレスは自律神経の乱れを招き、胃酸分泌を増やす要因になります。
また、市販の痛み止めや解熱剤を頻繁に使う方は、医師に相談のうえで服用を見直すことが大切です。

港区・白金エリアで胃痛にお悩みの方へ

「最近、みぞおちのあたりが痛い」「ストレスがかかると胃が重くなる」「食後にズキズキと痛む」──
こうした症状を“よくあること”と見過ごしていませんか？
一時的な胃の不調であっても、繰り返す胃痛には何らかの原因が隠れていることがあります。

当院「白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニック」では、消化器内視鏡専門医が最新の内視鏡機器を用いて、胃炎・潰瘍・ポリープ・ピロリ菌感染などを的確に診断します。
また、検査が苦手な方にも安心して受けていただけるよう、鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査に対応しています。

薬による治療だけでなく、食事や生活習慣の改善、ストレスケアまでを含めた再発予防を行い、症状の緩和とともに「胃の健康を長く保つ」ことを重視しています。
必要に応じて近隣の医療機関と連携し、CT・MRIなどの精密検査もスムーズにご案内します。

「市販薬を飲んでも治らない」「何度も同じ痛みを繰り返している」──
そんなときは、早めに原因を確認することが何より大切です。

港区・白金・麻布エリアで胃の痛み・不快感にお悩みの方は、白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニックへご相談ください。