食べ物が通りにくいのはなぜ？のど・食道のつかえ感の原因と受診の目安

はじめに

「食べ物がのどにつかえる」「飲み込みにくい」「水は通るのに固形物が通りにくい」──そんな症状はありませんか？
一時的なものと思って放っておく方も多いですが、実はこのような“食べ物の通りにくさ”は、のどや食道の病気の初期サインであることがあります。

のどや食道の働きは、食べ物を口から胃へと安全に送り込むためにとても繊細にできています。
そのどこかに炎症や狭窄（せまくなる部分）が生じると、食べ物がスムーズに通らず、「つかえる」「止まる」「飲み込みにくい」といった違和感が現れます。

中には、逆流性食道炎のように胃酸が原因となるものや、加齢による筋力の低下、まれに食道がんなどの重大な病気が隠れていることもあります。

本記事では、食べ物が通りにくい原因・注意すべき症状・検査方法・受診のタイミングについて、港区白金にある当院「白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニック」がわかりやすく解説いたします。

食べ物が通りにくいときに考えられる主な原因

食べ物がのどや胸のあたりで引っかかるように感じるとき、その原因は大きく分けて「のどの働きによるもの」と「食道や胃の異常によるもの」に分類されます。

①のどや神経の働きの問題（嚥下障害）

飲み込みの動作を担う筋肉や神経の働きが弱まると、食べ物をうまく送り込めなくなります。
加齢や脳梗塞の後遺症、神経疾患（パーキンソン病など）によって起こることがあります。
「むせやすい」「飲み込みに時間がかかる」といった症状が特徴です。

②食道の炎症や狭窄（せまくなる）によるもの

逆流性食道炎や薬剤性食道炎が原因で、食道が慢性的に炎症を起こし、粘膜が腫れたり傷ついたりすると、食べ物が通りにくくなります。繰り返す炎症により、食道が部分的に狭くなることもあります。

③食道の運動異常によるもの（食道アカラシアなど）

食道がうまく動かず、食べ物を胃に送り込めない病気です。
胸の奥でつかえる感じや、食後に胸が痛む、食べた物が戻ってくるような感覚が特徴です。

④腫瘍やポリープなどによる器質的な原因

食道や胃の入り口に腫瘍やポリープができると、物理的に通過が妨げられます。
症状が徐々に悪化している場合は、食道がんなどの早期発見のために検査が必要です。

このように、原因はさまざまですが、どれも早期に診断すれば改善が期待できます。
「いつもより食べにくい」と感じた時点で、できるだけ早く専門医へご相談ください。

よくある病気と特徴

「食べ物が通りにくい」「のどに引っかかる」といった症状の背景には、いくつかの代表的な病気が考えられます。ここでは、消化器内科でよく見られる主な原因疾患を紹介します。

①逆流性食道炎（ぎゃくりゅうせいしょくどうえん）

胃酸が食道に逆流して炎症を起こす病気です。胸やけやゲップに加えて、のどの違和感やつかえ感を訴える方も少なくありません。炎症をくり返すと、食道が腫れて狭くなり、食べ物がスムーズに通りづらくなります。軽症でも、放置すると「食道狭窄」を引き起こすことがあります。

②食道アカラシア

食道の動きがうまくいかず、下部食道の筋肉（括約筋）が開かないため、食べ物が胃に入っていかない病気です。胸の奥が詰まる感じ、食後の胸痛、食べ物が戻ってくる（逆流する）などの症状が特徴です。若い方から中年層まで幅広く見られ、放置すると食道が拡張してしまうこともあります。

③食道がん・食道炎・食道裂孔ヘルニア

食道がんでは、最初は固形物が通りにくく感じ、徐々に水分までも飲み込みづらくなっていきます。
また、食道裂孔ヘルニア（胃が胸のほうへ飛び出す病気）や薬剤性食道炎も、通過障害の原因になります。これらは早期発見・治療が極めて重要です。

④嚥下障害（えんげしょうがい）

のどや舌の筋肉がうまく動かず、食べ物を飲み込みづらくなる状態です。加齢のほか、脳梗塞や神経の病気が関係することもあります。食事中にむせる、咳き込む、時間がかかるといった症状が見られます。

⑤咽喉頭の異常・ポリープ

声帯やのどの奥にできたポリープ、腫れ、炎症でも「飲み込みにくい」と感じることがあります。特に声のかすれを伴う場合は、耳鼻科と連携した検査が必要になることもあります。

このように、原因は軽度の炎症から重大な疾患まで幅広く、症状の進み方や部位によって治療法が大きく異なります。
症状が続く場合は自己判断せず、早期に検査を受けることが大切です。

放置してはいけない危険サイン

「食べ物が通りにくい」症状の中には、経過を見てよい軽症のものもありますが、中には早期の受診が必要な重大な病気のサインが隠れていることもあります。
次のような症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。

①固形物がどんどん通りにくくなっている

最初はお肉やごはんなど固いものだけが詰まりやすかったのに、だんだん柔らかいもの・水分までも飲み込みづらくなってきた場合は注意が必要です。
これは、食道がんや高度の炎症による狭窄の可能性があります。

②痩せてきた・食事量が減っている

食べづらさのために食事量が減り、体重が落ちてきたときも要注意です。
エネルギー不足だけでなく、進行性の病気が関係している場合があります。

③胸の痛み・吐き気・血が混じる

胸の奥が痛む、吐いたものに血が混じる、黒っぽい便が出るといった症状があるときは、食道や胃の粘膜に潰瘍や出血があるサインです。放置すると命に関わるケースもあります。

④風邪でもないのに声がかれる、のどが詰まる

長引く声のかすれやのどの違和感も、のどや食道の炎症・腫瘍が原因となっていることがあります。

こうしたサインがある場合、自己判断で様子を見るのではなく、内視鏡検査で原因を正確に確認することが何より重要です。
「少しおかしいな」と思った段階で、早めに消化器内科へ相談しましょう。

当院での診療・検査体制

白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニックでは、「食べ物が通りにくい」「のどにつかえる」といった症状に対して、原因を正確に見極め、患者様に合わせた治療を行うことを大切にしています。

①苦痛の少ない内視鏡検査

当院では、最新の内視鏡機器を導入し、細径スコープによる経鼻または経口での検査に対応しています。
ご希望に応じて鎮静剤を使用し、「眠っている間に終わる検査」を受けていただけます。
検査中の苦痛や嘔吐反射が少なく、初めての方でも安心です。

②経験豊富な消化器内視鏡専門医による診断

食道や胃の炎症、腫瘍、運動異常など、原因は多岐にわたります。
当院では消化器内視鏡専門医が、画像をもとに病変の有無や程度を丁寧に確認し、必要に応じて組織検査を行います。
「何が原因かわからないまま不安…」という方でも、検査後に医師が画像を一緒に見ながらわかりやすく説明いたします。

港区・白金エリアで「食べ物が通りにくい」と感じる方へ

食べ物が通りにくい、のどに引っかかるような感覚は、「年のせいかな」「疲れているだけかも」と見過ごされがちです。
しかし、その違和感の裏には食道やのどの病気が隠れていることも少なくありません。
特に、症状が徐々に強くなっている・体重が減ってきた・水分まで飲み込みづらくなってきた場合は、早めの検査が必要です。

当院「白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニック」では、消化器専門医が最新の内視鏡機器を用いて、食道や胃の炎症・ポリープ・腫瘍などを正確に診断します。
鎮静剤を使用した「眠っている間に終わる検査」にも対応しており、初めての方や検査が苦手な方でも安心して受けていただけます。

また、原因が胃酸の逆流や軽い炎症の場合は、薬物療法と生活習慣の改善で症状が大きく軽減するケースも多くあります。
検査から治療、再発予防まで一貫してサポートいたしますので、「検査は怖い」「どこに行けばいいかわからない」という方もお気軽にご相談ください。

港区・白金・麻布エリアで「食べ物が通りにくい」「のどがつかえる」症状が続く方は、白金麻布メディカル内科・内視鏡クリニックへ。
早期の検査と治療で、毎日の食事を安心して楽しめる健康な生活を取り戻しましょう。