2026年2月10日
内視鏡検査で使用する鎮静剤・鎮痛剤について
〜「安全かつ、楽に受けられる検査」を目指して〜
内視鏡検査に対して 「苦しそう」「完全に寝ないとつらいのでは?」 と不安を感じている方も多いと思います。
当院では、検査中の不安や苦痛をできるだけ軽減し、安全に検査を受けていただくことを大切にしています。そのために、鎮痛剤・鎮静剤を適切に使用しています。
よくあるご質問(Q&A)
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Q1.内視鏡検査は、完全に眠っている間に終わるのですか?
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鎮静剤の効果は個人差があります。同じお薬で同じ量でも、眠る方もいれば、そうでない方もいます。
「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)」が日本消化器内視鏡学会からだされており、ガイドラインでは、**意識下鎮静(いしきかちんせい)**と呼ばれる方法が推奨されています。
これは、
- 意識は少しある
- 呼びかけに反応できる
- 不安や苦しさは大きく和らいでいる
といった状態で検査を行う方法です。
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Q2.意識下鎮静とは、どの程度の状態ですか?
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医学的には、Ramsay鎮静スコアで3〜4程度の状態を指します。
臨床スコア 患者の特徴 1 覚醒しており、興奮しているか落ち着きがない、またはその両方 2 覚醒しており、協力的で、見当識があり、落ち着いている 3 覚醒しているが、指示にのみ反応する 4 眠っているが、眉間を軽く叩くか、大きな聴覚刺激を与えると、素早い反応が見られる 5 眠っているが、眉間を軽く叩くか、大きな聴覚刺激を与えると、ゆっくりとした反応がみられる 6 眠っており、眉間を叩いても大きな聴覚刺激にも反応しない Ramsay MA, Savage TM, Simpson B, et al: Controlled sedation with alphaxalone-alphadolone.British Medical Journal 22;2(5920):656–659. doi: 10.1136/bmj.2.5920.656
簡単に言うと、
- うとうとしている
- 検査中の記憶があまり残らないことが多い
- 痛みや不快感は軽減されている
という状態です。
「意識がある」と聞くと不安に感じる方もいらっしゃいますが、楽に検査を受けられる方が多い鎮静レベルです。
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Q3.眠るところまでいかないときに、どうして完全に眠るまでお薬を使わないのでしょうか?
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鎮痛剤・鎮静剤を使用している時は、何よりも安全であることが前提となります。
内視鏡中は血圧や、血液中の酸素濃度をモニターしながら行いますが、鎮静剤を使用し過ぎると、呼吸が止まる・血圧が下がるなどの危険があります。
ですので、完全に眠れていなくても、ちょうどよい鎮静の状態と判断されれば、検査を行います。もちろん、適宜お薬の追加は行なっていきます。意識下鎮静では、
- 呼吸が安定しやすい
- 患者さんの反応を確認できる
- 必要以上に深い鎮静を避けることで、安全性を保ちやすい
といった状態であり、安全性と快適さのバランスが取れた方法として、多くのガイドラインで推奨されています。
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Q4.当院で使用している鎮痛剤について
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鎮痛剤:ペチジン
ペチジンは、内視鏡検査で広く使用されてきた鎮痛剤です。
- 検査中の痛みや不快感を和らげる
- 腸の動きを抑える作用もあります
鎮静剤と組み合わせることで、検査中のつらさをより軽減することができます。
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Q5.当院で使用している鎮静剤について
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主に使用する鎮静剤:アネレム
当院では、アネレムを主な鎮静剤として使用しています。
アネレムは、内視鏡処置中の鎮静薬として、保険適応が認められているお薬です。
アネレムの特徴
- 自然に眠くなるような鎮静作用
- 効果の調整がしやすい
- 検査後の目覚めが比較的スムーズ
意識下鎮静に適したお薬で、不安や時間の経過を感じにくくすることができます。
当院では、「気づいたら検査が終わっていた」「カメラが入っている感覚がほとんどなかった」と感じていただけるような、苦痛の少ない検査を目指しています。その他の鎮静剤について
患者さんの体調や既往歴、ご希望に応じて、以下の鎮静剤を使用する場合もあります。
ドルミカム
- 不安を和らげ、うとうとした状態を作る鎮静剤
- 内視鏡検査で長く使われてきた実績があります
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Q6.鎮静の深さは選べますか?
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可能な範囲で、ご希望をお伺いしています。
- 以前の検査がつらかった
- できるだけ楽に受けたい
- 深く眠ることに不安がある
- 以前は鎮静が効きすぎて、内視鏡のあとが大変だった
- 辛いのは嫌だけど、腸の中はみてみたい
など、感じ方やご希望は人それぞれです。
事前の診察でお話を伺い、その方に合った方法をご提案します。
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Q7.鎮静剤を使う場合の注意点はありますか?
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鎮静剤を使用した場合、
検査当日は車・バイク・自転車の運転はできません。検査後は、院内でしっかり休んでいただき、目が覚めてからご帰宅となります。
安全に検査を行うために
当院では、鎮静剤・鎮痛剤を使用する際、血圧・脈拍・酸素の状態をモニターで確認しながら検査を行っています。
患者さんが安心して検査を受けられる環境づくりを心がけています。
内視鏡を受けていただいた患者様には、アンケートへのご協力をお願いしています。
1分ほどの匿名でのアンケートとなりますので、ぜひともお時間ありますときにご協力をよろしくお願いします
